うるう秒 2035年までに廃止が決定!塾講師が解説してみた!


うるう秒が廃止になるというニュースを見た人も多いと思います。

 そもそも、うるう秒とは何なのか、なぜ、廃止されたのでしょうか。

今回は、普段理科講師として授業をしている私より解説します。参考になれば、幸いです。

□うるう秒廃止の理由

うるう秒廃止の理由について、BIPM※は「うるう秒の採用によって生じる不連続が、衛星ナビゲーションシステムや通信、エネルギー伝送など重要なデジタルインフラに深刻な誤動作をもたらすリスクがある」と述べている。2035年までに実施される予定で、新たな方針は、今後100年以上使えるように策定されている。

※国際度量衡局(BIPM)

□うるう秒とは?

地球の自転をもとにした天文時間と原子時計を基準にした原子時間のズレをなくすために、1日を1秒伸ばすのが「閏秒(うるう秒)」です。

☆具体的に言うと、日本時間で9時00分00秒の1秒前に、8時59分60秒が入れられることがありますが、この8時59分60秒のことを「うるう秒」というわけです。

私たちの生活の基準とされる時間の長さ(1分・1秒)は、地球の自転を基準に決められています。20世紀に入り時間を測定する技術が飛躍的に進歩し、原子時計で正確な時間の測定が可能になった結果、地球の自転を基準とした天文時間と原子時計が測定する原子時間の間にはわずかなズレ(誤差)が存在することが分かりました。このズレ(誤差)を無くすために1日を1秒伸ばすことが行われました。これが「うるう秒」になります。

□1秒ってどんな時間なの?

1日=24時間=1440分=86400秒

正午から次の日の正午 → 地球の自転運動から生まれた単位

つまり、地球が1回転自転するまでの時間を86400で割った長さを1秒という時間にすると生活を送る上で都合がいいわけです。

ところが20世紀に入り、時計の精度が飛躍的に向上し、地球の自転周期にわずかなズレ(誤差)が見つかってしまいました。地球の自転速度が極々わずかに変化しているので、1回自転する時間も変化し、それを86400で割った1秒間の長さも変化してしまうことになります。

この問題を解決したのが「セシウム原子時計」です。

※日本標準時の基準として最初に使用された「セシウム原子時計」は、兵庫県明石市立天文科学館に展示されています。

1967年、セシウム原子時計の刻む1秒が1秒ということになり、秒は次のように定義されることになりました。

1秒=「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移により放射される電磁波の周期の9192631770倍に等しい時間」

これで、原子時計の示す揺るぎない時間を手に入れたわけですから、すべてそれに従ってしまえばいいのですが、なかなかそう簡単にはいきませんでした。これは地球の自転の速度がわずかながら一定ではないからです。地球の自転周期をもとにした世界時(UT)と、原子時計を基準にした協定世界時(UTC)は、1日あたり1000分の1秒ずつズレていて、約3年で1秒のズレが生じるため、天文時と原子時の時間差を埋めるために数年ごとに1度「うるう秒」が挿入されることになったわけです。

→2015年7月1日(水)日本標準時の基準となる東経135度子午線が通っている明石市立天文科学館でうるう秒の挿入が一般客を前に行われています。

□うるう秒廃止へ

うるう秒の挿入についてはこれまでもずっと賛否両論あり、挿入タイミングが日中の活動時間に入る国の場合は不利益を被ることもあるので、アメリカなどは株式以上のトレーディングが1秒単位でかなりの回数で行われるため、廃止したいとの方針を出していました。一方、イギリスでは、天文時間であるグリニッジ標準時から切り離されることに抵抗感を持っており、うるう秒廃止に反対していていました。(2015年)

そして2022年、うるう秒の廃止が決定されましたが、BIPM(国際度量衡局)で時間部門の責任者の話では、「不規則なうるう秒による不連続性を排除した、連続的な秒の流れ」が生まれると述べました。また、「UTC(協定世界時)と地球の自転との関係は失われていません。UTCは地球に関連したままです」「一般の人にとっては何も変わりません」と付け加えています。

ただ、うるう秒の廃止が決まったものの、しばらくの間はこれまで通りうるう秒の追加が必要なタイミングでその都度追加が行われることとなるようです。しかし、2035年頃からは原子時間と天文時間の誤差が1秒よりも大きくなることが許容されるようになります。CGPM(国際度量衡総会)ではUT1とUTCの同期が約1分ずれても「少なくとも1世紀はうるう秒を追加しない」ことが提案されていますが、これらの詳細は今後他の国際機関と協議しながら決められる予定だそうです。

□うるう秒廃止と我々の生活

 今後特段大きな生活に影響があることはないのですが、地球上の様々なシステムはやはるこの地球の自転規模に左右されていることを考えると、「天文学」という学問はあまりにも壮大で、今後ますます研究が進められることで、様々なことが分かってくるとなると興味の大きい分野であると思います。ちなみに、私は1度電話の時報でこのうるう秒を実際に聞いたことがありますが、たった1秒でしたが、地球規模の不思議な体験をしたと自分の記憶に刻まれています。

〇日常生活の中から学びを得るのがキッズライト

普段、生活をしている中で、たくさんの学びの場があることに気づかされます。教科書や参考書、問題集などで勉強することで知識を得ることも大事ですが、生活の中でどのように活かされているのかを知ることはもっと大事なことだと思っています。

キッズライトでは、このような学びを体験できる「おでかけ」などを通して、学んでもらいと思っています。

ぜひ、機会があれば、参加してみてください。

LINEの友だち追加、YouTubeのチャンネル登録お願いします!

キッズライトでは、「おでかけ」に参加できない方でも参考になるように、さまざまな情報を発信しております。

更新した際には、LINEにてお知らせいたします。

学習相談もできますので、ご連絡ください。

LINEの友だち追加はこちら👇

友だち追加

Instagram(キッズライト (@kids.light) • Instagram photos and videos)やYouTube(コガチャンネル - YouTube)では、イベントの様子や、受験情報や対策動画だけでなく、子どもとの接し方などの教育法についても定期的に発信しております。こちらもご覧ください。